記念日記(その6)「北の国から 第3話」
2002年4月14日演習とかのイベントがない時のじえーたいほど暇な職業はない。
午前中は4時間使って4キロのロード(だいたい30分弱。残りの時間は身体の手入れと称して惰眠を貪る)
午後は戦闘訓練(気合が入っている時は匍匐前進から突撃まで。入ってない時はピクニック状態)や武器の手入れ(すでにピカピカの銃を更にピカピカに磨く)
もしくは午前中に射撃訓練(実弾は使えないので、口で射撃音を表現。かなり恥ずかしい)
午後は国有地での12キロのロードヒル(概ね1時間前後。残りの時間は身体の手入れ)か国有地整備(散策ともいう。人出がないので、山菜が豊富に採れる)
仕事が終われば、駐屯地内のクラブでドンチャン騒ぎ。
イベントの時は違う意味で活気に溢れる。
遠足前の子供の状態(笑)
大規模なサバイバルゲームのような演習が終わったら、次の日からは休暇に突入。
町に繰り出しドンチャン騒ぎ。
お金を貯めるヒマがない(笑)
そんな自堕落な生活を送っていたある日、実家の母からの電話。
「M子(すぐ下の妹)が部屋借りるとばってん、どやんかな?」
「どやんて・・・突然何ばいうと」
「悪かとこやったらいかんけん、あんたに聞きよるとて」
無茶な話しである。
どんなに優れた風水師でも、キチンとした説明がないと判断できないだろう。ましてや、オレは素人だ。
分かるはずが・・・ん?
母親の要領を得ない言葉に不平を言っていたオレの頭の中に、一つのイメージが浮かび上がる。
「玄関、南向き?」
「何で分かると?」
「分かるて思たから電話したっちゃないとね。・・・あーもう、良かけん。玄関入ったら右に階段。2階建てやね。左に結構広か炊事場・・・間違いなか?」
「うん」
「んじゃ、炊事場から。でっかい染みのあるやろ?」
「染みかどうか知らんけど、何か痕のある」
「あーそれ。前の住人て誰ね。普通には出ていかんやったっちゃろ」
「よー知らんけど」
「それ、血ぃばい。家賃安かとやろう?」
「うん。そやっけん借りられたとて」
「やろね。でもその家はイカンよ」
「染みのあるけん?」
「んにゃ。まだ住んどらすけん」
「誰の!?」
「知らんよ。でも女の人。2階におらすけん、M子には近付かんように言うとって」
頭の中に、というより、額のところに見える映像は、窓から射し込む西日が、部屋の畳の3分の2を照らしているというもの。
照らされていない部分は異様に暗い。
部屋の埃に光線がハッキリと識別できる。
問題なのは、女性の素足が西日に照らされているってこと。
所在なげに立ち尽くす女性の脛の半分から下。
窓の方を向いて立つ女性の表情は、俯いているってことと長い髪の毛に隠れてよく分からない。
ただ怖いっていうより、哀しいって感じの方が強い。
でも幸せな人が来たら祟りそうな気配。
どっちにしてもろくな所じゃない。
「分かった。ありがとう」
こうして妹の独立を阻止したオレは、悪いお兄ちゃん(笑)
午前中は4時間使って4キロのロード(だいたい30分弱。残りの時間は身体の手入れと称して惰眠を貪る)
午後は戦闘訓練(気合が入っている時は匍匐前進から突撃まで。入ってない時はピクニック状態)や武器の手入れ(すでにピカピカの銃を更にピカピカに磨く)
もしくは午前中に射撃訓練(実弾は使えないので、口で射撃音を表現。かなり恥ずかしい)
午後は国有地での12キロのロードヒル(概ね1時間前後。残りの時間は身体の手入れ)か国有地整備(散策ともいう。人出がないので、山菜が豊富に採れる)
仕事が終われば、駐屯地内のクラブでドンチャン騒ぎ。
イベントの時は違う意味で活気に溢れる。
遠足前の子供の状態(笑)
大規模なサバイバルゲームのような演習が終わったら、次の日からは休暇に突入。
町に繰り出しドンチャン騒ぎ。
お金を貯めるヒマがない(笑)
そんな自堕落な生活を送っていたある日、実家の母からの電話。
「M子(すぐ下の妹)が部屋借りるとばってん、どやんかな?」
「どやんて・・・突然何ばいうと」
「悪かとこやったらいかんけん、あんたに聞きよるとて」
無茶な話しである。
どんなに優れた風水師でも、キチンとした説明がないと判断できないだろう。ましてや、オレは素人だ。
分かるはずが・・・ん?
母親の要領を得ない言葉に不平を言っていたオレの頭の中に、一つのイメージが浮かび上がる。
「玄関、南向き?」
「何で分かると?」
「分かるて思たから電話したっちゃないとね。・・・あーもう、良かけん。玄関入ったら右に階段。2階建てやね。左に結構広か炊事場・・・間違いなか?」
「うん」
「んじゃ、炊事場から。でっかい染みのあるやろ?」
「染みかどうか知らんけど、何か痕のある」
「あーそれ。前の住人て誰ね。普通には出ていかんやったっちゃろ」
「よー知らんけど」
「それ、血ぃばい。家賃安かとやろう?」
「うん。そやっけん借りられたとて」
「やろね。でもその家はイカンよ」
「染みのあるけん?」
「んにゃ。まだ住んどらすけん」
「誰の!?」
「知らんよ。でも女の人。2階におらすけん、M子には近付かんように言うとって」
頭の中に、というより、額のところに見える映像は、窓から射し込む西日が、部屋の畳の3分の2を照らしているというもの。
照らされていない部分は異様に暗い。
部屋の埃に光線がハッキリと識別できる。
問題なのは、女性の素足が西日に照らされているってこと。
所在なげに立ち尽くす女性の脛の半分から下。
窓の方を向いて立つ女性の表情は、俯いているってことと長い髪の毛に隠れてよく分からない。
ただ怖いっていうより、哀しいって感じの方が強い。
でも幸せな人が来たら祟りそうな気配。
どっちにしてもろくな所じゃない。
「分かった。ありがとう」
こうして妹の独立を阻止したオレは、悪いお兄ちゃん(笑)
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